8000系

●概要
1995年に神戸線・西宮線用として導入された車両。民営化後の2003年まで製造された。神戸線各駅停車用としては32年ぶりのフルモデルチェンジとなった。VVVFインバータ制御・軽量ステンレス製と7000系をベースにしつつも前面をくの字型にし、側窓を大型化してイメージを一新した。塗装もこれまでの茶色に更に朱色を加えた。民営化後に製造された車両は塗装・機器類を一新している。現在神戸線の各駅停車と西宮線、京都線で運行している。
●諸元
形式 8000(M1c)、8100(M2c)
       8200(M1)、8300(M2)、
       8400(M1)、8500(M2)、
       8600(T)、8700(T)
編成 6両編成
製造 1995年〜2003年
営業最高速度 110km/h
設計最高速度 110km/h
起動加速度 3.5km/h/s
減速度 4.0km/h/s(常用最大)
          5.0km/h/s(非常)
最大寸法 長さ 19000mm(先頭車)
                    18880mm(中間車)
             幅 2800mm
             高さ 4067mm
車体材質 軽量ステンレス
主電動機 かご形三相誘導電動機
             TDK-6146-B
出力 130kW×4基/両
駆動装置 TD平行カルダン
制御装置 VVVFインバータ制御
台車 ボルスタレス台車
制動装置 電気指令式ブレーキ
保安装置 阪神・山陽・阪急型ATS
●配置区所
西宮工場
吹田検車場
●運用範囲 
神戸線(日本橋筋ー神戸)
姫路線(神戸ー須磨)
京都線(万博記念公園ー江坂山)
西宮線(江坂山ー今津)
京都線(京都ー梅田)
大津線(京都ー草津)
和歌山線(難波ー和歌山)
空港線(泉佐野ー関西空港)

1995年、西宮線に残る1000系・1500系の置き換え用として開発された。
西宮線の運用は神戸線各駅停車と兼用の西宮所属の200系・1200系・2000系・3000系・3200系と京都線と兼用の吹田所属の1000系・1500系で運行していたが、1000系・1500系は性能面で2000系・3000系より劣り、同じ線区・同種別なのにも関わらず所属区所が異なっていた為に運用に融通が利かず、ダイヤ乱れ時などの運用の制約がネックとなっていた。更に、200系に関しては種車が800系列であり、冷房改造は施されていたものの、最も経年の経っていた車両ではこの時点で既に60年以上経過していた為、早急な置き換えが必要であった。そこで、西宮線の車両を全て神戸線各駅停車対応の車両に置き換えることにした。しかし、当時神戸線各駅停車向けにはまだ2000系を製造していたが、2000系の基本設計は1963年と古く、時代は既に軽量ステンレス車体・VVVFインバータ制御の時代となっていた為、神戸線各駅停車に対応した時代に合った新形式の開発をすることになった。こうして開発されたのが8000系である。
8000系は従来のデザインからは一新した。前面はくの字型となり、7000系に続いて上半分は黒色となった。前照灯の位置を変えたことにより、7000系より洗練したデザインとなった。側面は7000系に続いて軽量ステンレスを採用した為、コルゲートの数が少なくなった。側窓の寸法が縦に拡大され、ピラーが黒色となった。扉窓も従来より縦に大きくなり、こちらは複層ガラスを採用した。塗装もこれまでの茶色1色ではなく茶色と朱色を使い、帯のパターンを変更した。行き先表示器は3色LED化された。車内はオールロングシートとなったが、化粧板・シートモケット・床などこれまでとは異なるデザインのものが採用されている。扉上部にはLEDの案内表示器が千鳥配置で設置されている。冷房装置はこれまでと同じく阪急と同じものが3基搭載されたが、車外スピーカーが冷房装置に取り付けられた。この冷房装置はスイープファンを装備している。床下機器も一新され、制御装置は三菱製のVVVFインバータ制御で、素子はGTO素子となっている。ブレーキは他車と併結の必要性が無いことから電気指令式ブレーキが採用された。
1995年に6両編成1本が神戸線に投入され、同年7月には営業運転を開始した。計画ではまだ後での投入予定であったが、1月には阪神淡路大震災が発生し、公社線も甚大な被害が出たことから車両不足となった為、前倒しで営業運転を開始した。
1996年から量産車の製造が開始され、1998年までに神戸線に6両編成6本が製造された。更に、京都線向けにも6両編成12本が製造され、こちらは50番台に区分された。京都線向けはまだ非冷房で残っていた5000系の代替を目的としたものでありる。編成が神戸線用がオールMなのに対し、京都線用は4M2Tとなっており、制御装置のメーカーが東芝製となっている。
1999年には西宮線の1000系・1500系の置き換えが完了し、西宮線の全ての列車が神戸線各駅停車用の車両で運行可能となったことから、西宮所属の8000系による優等列車運用が誕生した。
2000年3月には、200系が全車引退し、神戸線・西宮線の完全無塗装化が達成された。200系は大半が廃車されたが、201+251の2両は救援車に改造され、804を置き換えた。
2000年4月、京阪神都市開発交通公社は完全民営化され関西都市高速鉄道に移管し、8000系も全車関西都市高速鉄道に移籍した。
2002年からは民営化後初の新造車として神戸線に8両編成2本、京都線に8両編成5本が製造された。これは、神戸線の各駅停車の1200系・3200系の置き換えと京都線の1500系置き換えによるもので、このグループの投入により京都線から1500系は撤退した。初期グループからは大きく仕様が変更された。塗装はこれまでの朱色と茶の帯を引き継ぎつつも戸袋部に新たなコーポレートカラーである青を入れ、これまでの車両に無い斬新なデザインとした。ガラス類にはUVカットガラスを採用し、冷房装置はオゾン層破壊防止に対応したものに変更した。車内は基本的には従来の8000系をベースとしつつも座席がバケットシートとなり、モケットが青系のものとなっている。又、ドアチャイムが設置された。更に、前面には排障器が設置された。機器類は制御装置の素子がIGBTとなり、起動時の騒音を軽減している。尚、神戸線用と京都線用の主電動機出力の違いや制御装置のメーカーの違いなどは引き継がれているものの、神戸線用の制御装置は東芝製に変更された。このグループからこれまで車体に貼られていた社章が省略され、先頭車乗務員室後ろの戸袋窓にロゴマークが貼られるようになっている。
2003年まで製造され、これにて8000系の製造は終了した。この時点で神戸線に8両編成8本、京都線に8両編成17本が配置となった。
2008年、新塗装導入に伴い関西高速線の既存車両についても塗装を変更することになった。これにより、吹田所属の8000系は全車新塗装に変更することになった。新塗装は戸袋部が白、窓下に青と白となっている。尚、この既存車両の新塗装化は区所ごとに任されている為、吹田所属車は全車新塗装化したが、西宮所属車は従来の塗装のままとなっている。
2014年、8000系登場から15年以上が経過した為、更新工事を施工することになった。主な改造内容は、前照灯のHID化、行先表示器のフルカラーLED化、窓ガラスのUVカットガラス化、化粧板の張り替え、座席のバケットシート化、LCD設置、制御装置の素子のIGBT化などである。この改造は今のところ吹田所属車のみに施工されている。
2018年現在、6両編成8本が西宮工場、6両編成17本が吹田検車場に配置され、西宮所属車は神戸線の各駅停車と西宮線、吹田所属車は京都線で運行している。